第114章

宮原ミナミは、気まずさをにじませつつも礼を失わない笑みを浮かべた。どこか取り越し苦労に思えて、「病院で誰かが乱暴するなんて、ないと思いますけど」

ここは大病院だ。夜勤の看護師だっているし、付き添いの家族だっている。そんな場所で、そう簡単に何かできるはずがない。

「分かっています。ですが……父親として、子どものことが心配なんです。もし万が一、よくないことが起きたら、私は一生悔やむ」

声に滲む重さを聞き取って、ミナミはしばらく黙った末、結局うなずいた。

病室へ近づくと、村木勘也はちょうどお粥を口に運んでいるところだった。

――運がいい。助けた相手が、とんでもない大物だった。

K市の村木...

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