第118章

その言葉を聞いた瞬間、村木勘也の全身から強張りがすっと抜けた。体温まで一気に戻ったみたいに、目に見えて肩が落ちる。

「ミナミお姉さん、どうしてあの医者が怪しいって分かったの?」

昨夜の、あの冷や汗の瞬間を何度も頭の中で巻き戻す。どうしても腑に落ちない一点があって、ようやく口にできた。

「ニトロプルシドは即効性の降圧剤よ。あなた、出血が多かったでしょ。血圧なんて元から不安定なのに、そこから下げたら死ぬ」

宮原ミナミは眠気が押し寄せ、ふぁ、と欠伸を漏らす。

昨夜は一睡もしていない上に、ひと暴れまでした。若いから何とかなるだけで、普通ならとっくに倒れている。

二人が話していると、病室の廊...

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