第120章

村木勘也を攫えたのだって、結局は村木家の三男が手を貸したからだ。

あれほど深く埋め込んでいた駒を、一枚無駄にした。

駒一枚で村木家の次期後継が不慮の死を遂げるなら、こちらとしては儲けもの――そう踏んでいたのに。

それがどうだ。玉村慧一のあの役立たず。

さっさと村木勘也を始末しておけばよかったものを、一年も経って逃がしやがった。

おかげで今、村木君助が玉村慧一の線から、こちらに辿り着きかけている。

沈村真琴は腹の底から煮えくり返り、肝が痛むほどだった。

脇で村木ひよりが、わざと火に油を注ぐ。

「全部、宮原ミナミっていう小クズのせいよ! あいつが余計なことしなきゃ、村木勘也なん...

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