第132章

その深い眼差しに見つめられ、宮原ミナミは気づかれないよう視線を落とした。だが、それではわざとらしい。すぐに視線を戻し、津坂幸音を見た。

「幸音、忘れたの? 私、医大だから。普段の授業が詰まってて、たぶん時間が取れない」

それに旭日のラボも、もうすぐ完成する。稼働が始まれば、そちらにも顔を出さなければならず、なおさら幸音に付きっきりで教える余裕はない。

「……そっか」

津坂幸音は肩を落とし、しょんぼりと俯いた。

その「捨てられた子犬」みたいな顔に、宮原ミナミの胸がきゅっと柔らかくなる。頭を撫でて、ひとこと慰めた。

「津坂さんが探してくれた先生が合わなかったら、私がまた考えるから」

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