第135章

宮原ミナミは、相手が津坂崇介の母であることなどお構いなしに、にこやかに言い放った。

「スマホは壊れてないよ。でも、かけたくないの」

「私の言うことが聞けないっていうの?」

目村詩音は立て続けに思い通りにならず、怒りが一気に噴き上がる。もう堪えきれないとばかりに立ち上がり、つかつかと歩み寄ると、ためらいもなく津坂幸音の頬を平手で叩いた。

ぱぁん、と乾いた音が、がらんとしたリビングに響き渡る。使用人たちも呆然と固まった。

その瞬間、宮原ミナミが掲げた手は、ちょうど目村詩音とすれ違っていた。

ミナミは、殴られるのは自分だと思って咄嗟に止めに入ったのだ。だが、その動きのせいで背後にいた津...

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