第142章

激しい揺れが、また襲ってきた。次いで、車窓のあたりで――パリン、と乾いた破裂音。

その瞬間、宮原ミナミははっきり感じた。頭の上に、誰かの手がかぶさったのを。飛び散るガラス片を、すべて外へ弾き返すように。

心臓が跳ねる。

津坂崇介が怪我をしていないか確かめようと、ミナミは慌てて振り向いた。だが視線は、割れた窓の向こう――大型トラックの運転席へと吸い寄せられる。

運転手は、どこにでもいそうな中年男だった。顔立ちも平凡。けれど、その目だけが違う。隠しもしない殺意が、ぬらりと光っていた。

――これは、津坂崇介を狙った故意の殺人だ。

ガシャァン――!

トラックの前では玩具みたいに小さな乗...

ログインして続きを読む