第145章

宮原ミナミは目を丸くして彼を見た。すると彼は、何でもないことのように淡々と言う。

「――世の中には、触れていい相手と、触れちゃいけない相手がいるってことを……分からせないとな」

つまり、事故を起こした車は彼のものだった。自分がその車内にいると分かっていながら、相手はなお手を出した。――完全に、彼を舐め切っている。

だからこそ、黒幕を引きずり出し、落とし前をつけさせる。

これは彼のプライドに関わる。小さな話ではない。

背後に控える武井景二郎が、わずかに身じろぎした。何か言いかけて口を開く――が、結局なにも言えず、そっと視線を窓の外へ逃がす。

(……いつから崇介様は、こんなに世話焼き...

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