第153章

彼女が話しているあいだ、津坂崇介はずっとその顔を見つめ、ところどころで短く相槌を打って導いていた。

「君の言うとおりだ」

津坂崇介は低く笑う。胸の奥が、そっと柔らかくほどけていくのを自覚しながら。

「あとで、言ったとおりに動かしておく」

宮原ミナミは、我ながら筋道立てて考えられたと思った。だが顔を上げた瞬間、彼の笑みの意味がすとんと腑に落ちる。

思わず口をついた。

「津坂さん、最初から分かってたんですよね?」

――そうだ。こんな分かりやすいこと、津坂さんが思いつかないはずがない。

いま振り返ると、さっきまで得意げにしゃべっていた自分が、少しだけみっともなく思えた。

津坂崇介...

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