第16章

早崎朝子は、宮原ミナミの「全部お見通し」とでも言いたげな顔がどうにも気に食わなかった。

所詮は田舎から来た子じゃない。何をそんなに得意になってるのよ。美奈子がヤマを張ってあげなきゃ、市立高校にだって入れなかったくせに。

そう思うと、朝子は一歩前へ出て、顎を少し持ち上げる。見下ろすように、上から言った。

「……あんたが? 私たちと賭けるって、何を?」

「月例テストまで、あと20日」

宮原ミナミは指を一本立て、ひらひらと揺らす。

「賭けるのは――今回、F組が学年1位を取ること」

その瞬間、廊下は爆笑に包まれた。

『ハハハ! 聞いた? Fが1位だってさ』

『今年いちばん笑ったんだ...

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