第164章

薄明の光の中、黛青の連山は濃い霧に包まれていた。

やがて朝日が山あいの靄を押し分けるように昇り、一晩かけて凝った露が草葉をしならせる。

昼前。二人の案内役がそれぞれ人を連れて、白石成俊の前へ進み出た。

「成俊若様、こちらは大宮峰人先生。お爺さんの考査を通過されました」

大宮峰人と名乗るのは六十代後半から七十ほどの老人で、背筋が伸び、眼光に衰えがない。

続いてもう一人。

「成俊若様、こちらは羽岡逸先生。同じくお爺さんの考査を通過されました」

大宮峰人に比べればずいぶん若い。金縁の眼鏡をかけ、物腰も穏やかで学者然としている。

白石成俊は小さく頷き、案内役に手を振って下がらせた。

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