第168章

「……もう少し考えさせてください」

宮原ミナミは、木田平人に確約を与えなかった。

彼女は物事を途中で投げ出すのが嫌いだ。現状のような「金で人を殺させる」程度の手口なら、まだ対処できる。

それに、ここはK市四大家族の一つ――白石家だ。黒幕がどれほど大胆でも、正面から乗り込んで殺すなどできるはずがない。

せいぜい陰でこそこそと、下衆な手段を弄するくらいだ。日頃から用心していればいい。

「行きましょう」

宮原ミナミは使用人の後ろについて、名画の掛かった廊下を抜け、白石源介の書斎へ向かった。

書斎にいたのは白石源介ひとりだけ。使用人は宮原ミナミを中へ案内すると、静かに下がっていく。

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