第170章

「一つは、いったん人に約束した以上、簡単に反故にはできない。もう一つはね――ちょっとした困難にぶつかったくらいで尻込みするなんて、あり得ないでしょ」

彼ら三人がここに来たのは、旭日の看板を背負ってのことだ。

少し危険があるからと引き返したとなれば、外から旭日がどう見られる。

木田平人と助手は顔を見合わせ、言葉を失った。

二人とも、白石成川が負傷した本当の理由を知ったのはこれが初めてだった。

彼は犯罪を叩くために動き、その結果、犯人に傷つけられたのだ。

そんな白石成川に守られてきた側の自分たちが、鈴宮様に「やめましょう」と言うのは、確かに薄情だ。突き詰めれば、恩知らずにすらなる。

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