第175章

安田雪香が宮原ミナミの否定を待つまでもなく、くるりと首を回して佐々木ミミ子と蟹川平子に告げ口した。

「ミミ子、平子! ミナミ、彼氏できたのに私たちに言わないんだよ!」

これには二人も黙っていられない。手にしていた参考書をぱっと置き、宮原ミナミの前へ詰め寄る。瞳には露骨なまでの野次馬の光。

「彼氏って誰?」

「もしかして中上加志?」

「言っとくけどさ、堀上雅美って中上加志のこと大好きなんだよ。高校のとき、中上加志のせいで何人も泣かせたって噂あるし。あの縁談、雅美のパパが反対してるって」

宮原ミナミは人差し指を左の手のひらに当て、しーっと制する仕草をした。

「雪香のデマに乗らないで...

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