第187章

「女性を待たせるなんて、紳士のすることじゃない」

そう思いながら問題を書き終えたエドモンは、勢いよく外へ飛び出した。だが廊下には誰もいない。頭の中で思い描いていた「待っている美人」など、影も形もなかった。

相手はホテルに戻って身支度でもしているのだろう――そう決めつけたエドモンは、今度はホテルの正面へ火がついたように駆けていき、しばらく待った。だが、いくら待っても来ない。

ようやく自分がからかわれたのだと気づいたときには、もう遅い。腹の底から煮えくり返り、ホテルのロビーで大声を張り上げた。

「おい! 支配人を連れてこい! 今すぐだ!」

護衛に命じて支配人を呼び戻させ、宿泊客の部屋番...

ログインして続きを読む