第208章

宮原ミナミは呆けたまま顔を上げた。いつの間にか、津坂崇介が病室のベッド脇に立っている。

見上げる角度からだと、いやでも分かる。誇れるほどの長身と、揺るがない眼差し。

「……俺だけじゃない」の意味。

そうだ。俺だけじゃない。村木勘也だっている。

自分の意図が伝わっていないと悟った津坂崇介が、静かに釘を刺す。

「エドモンに送られた写真、切り取られてる」

宮原ミナミは、はっと息を呑んだ。エドモンと古川フニのチャット画面を思い出す。

――長刀で腹を刺され、津坂崇介に抱えられて病院の外来へ運び込まれる瞬間の写真。

腹には刃が突き立ったまま。血が、後ろに筋を引くようにぽたぽた落ちている。...

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