第216章

成山恭子は、ここまで露骨に突き放されるとは思っていなかったのだろう。顔に貼り付けていた笑みが、ぴくりと固まる。沈黙はほんの一瞬。すぐに何事もなかったかのように、明るい声を作った。

「ごめんなさい、ごめんなさい! ほら、ミナミさん一人みたいだったから、つい気になっちゃって。女の子が一人暮らしなら、用心するに越したことないでしょ」

言葉だけ聞けば、気遣いにも聞こえる。

けれど――私生活を探るような「親切」を、宮原ミナミは受け取る気になれなかった。

ミナミが微動だにせず、表情にも波が立たないのを見て、成山恭子は悟る。これ以上は引き出せない。焦った自分に、内心で舌打ちした。

彼女は隣の別荘...

ログインして続きを読む