第27章

「津坂様……本当に愛未の、お兄さんなんですか? いま、あの子を連れて帰るおつもりで……?」

鈴宮嘉太郎の声はどこか上ずっていた。両手で太ももをさすりながら、さっきこの「愛未の兄」を名乗る男が入ってきた瞬間、羽岡春香が愛未を殴っていたことを思い出し、背筋に冷たい汗が伝う。

改めて見ると、鈴宮愛未の服は洗いすぎて色が抜け、ところどころ継ぎ当てまである。嘉太郎は言葉を失った。

――今日に限って兄が来るなら、せめてまともな服を着せておけばよかった。

このあと金の話をするのに、印象が悪くなる。

「そ、それは……よかった。ほら、見ての通りうちは狭いし、愛未を置いとくのは可哀想で……連れて帰って...

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