第37章

そう言い終えると、福部優子は目を細めた。瞳の奥に冷たい光が走り、甘い毒を含ませた声で囁く。

「……あの手の「癖」をつけちゃえば、こっちのものよね? そうなったら、操れる。欲しいものは何だって手に入るわ」

確かに、一理ある。

宮原江太郎は肘掛けを指先でとん、とん、と叩き続けた。思考が波立つ。

鈴宮穂満が遠川グループに預けている、目眩がするほどの資産――あれを、この機に宮原ミナミに吐き出させて自分の手に移せるなら、どんな事業よりも割がいい。

宮原江太郎は満足げに口角を上げた。福部優子の策を、心底いいと思ったのだ。

「お前がいてくれて助かる。……俺は運がいいな」

実際、彼にとっては「...

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