第41章

佐藤東たち三人は、もう使い物にならない。――誰も、助けてはくれない。

ゆっくり近づいてきた宮原ミナミは、足元で何かを踏んだ感触に眉をひそめた。しゃがみ込み、拾い上げる。

それは、小さな注射器だった。

「これ、なに?」

その瞬間、宮原美奈子の恐怖は天井を突き抜けた。

「そ、それは……そのへんの泥、ど、泥水よ……」

泣き笑いにもならない歪んだ笑みを浮かべながら、彼女は背中に隠した手で掌をぎゅっと掴む。爪が肉に食い込み、じわりと血が滲み、指の隙間からぽたぽた落ちた。床の埃と混ざり、黒い泥の塊になる。

「ふうん?」

宮原ミナミは口元だけで笑う。注射器についた埃を指先でさらりと払うと、...

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