第45章

宮原江太郎の顔色はみるみる険しくなり、怒鳴りつけた。

「このバカが! 母親に向かって何て口の利き方だ! 優子は俺の法定の妻だ。つまりお前の母親だ! 認めないって言うなら、宮原家から出ていけ!」

その瞬間、ダイニングの空気は氷点下まで落ちた。

使用人たちは息を殺し、余計な物音ひとつ立てまいと身を固くする。

松村は必死に宮原ミナミへ目配せした。――謝れ。旦那さまに逆らうな、と。

福部優子の瞳に、勝ち誇った色が一瞬よぎる。

ふん。乳臭い小娘が、私に勝てるわけない。

追い出されたら、あとでいくらでも取り返してやる。

けれど宮原ミナミは、まるで見えていないかのように宮原江太郎を真っすぐ...

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