第49章

その先は、彼女も知らない。あの頃はちょうど、宮原美奈子が村木家の若様と結婚を控えていて、意識のすべてがそちらへ向いていたからだ。

ただ、あの一件のあと――旭日製薬は市場を大きく食われ、根が傷んだままじりじりと医薬業界から退いていった。そうしてようやく、次の時代に宮原家が台頭した。

宮原ミナミは「そんな偶然ある?」と思いつつも、きちんと確かめたくなった。木田というマネージャーが腕利きだという噂もある。自分は医薬会社を立ち上げたいのだから、引き抜いてプロの経営者として据えるのも悪くない。

「その――」

言いかけた瞬間、隣を歩いていた大宮梅子が腹を押さえ、へたり込むように地面へ座り込んだ。...

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