第51章

生産部の部長が、よりにもよって上等な原材料を横流しし、代わりに湿気てカビの生えた薬材を買い直して製造に回していた。当然、転売で得た金は丸々、奴の懐に入っている。

津坂崇介は戻るなり、鈴宮病院の担当者に一連の経緯を説明した。

鈴宮栄介も事情は把握していて、その場でパソコンからメールに返信し、薬品倉庫の担当に指示を飛ばす。旭日製薬が後から納品してきた不合格品はすべて一か所に積み上げ、あとで回収に来る者へ引き渡せ、と。

「そうだ。あの生産部の部長、たしか木田平人って名前だったよな? どう処理した?」

その名を口にした途端、鈴宮栄介の眉間に皺が寄った。

幸い、病院には入庫時の検査体制がある...

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