第54章

旭日製薬の最上階、会議ホール。

ホールは眩いほど明るく、普段はがらんとしているはずの空間が、今は人でぎゅうぎゅうだった。集まっているのは旭日製薬の大株主、小株主――要するに株主という株主、全員。

入口には姿勢のいい受付嬢が並び、スーツ姿の来客が一人入るたび、完璧な角度で頭を下げる。トレーを持った給仕もまた、作り物みたいな笑顔を崩さない。株主が席につくやいなや、すっと寄ってきて茶を注ぐ。ホール内が多少ざわついていようと、まるで別世界のように。

「篠原志明が、あんな慌てた感じで俺たちを呼びつけて……何の用だよ?」

「だよな。用もないのに株主総会って何だよ。こっちは忙しいんだ。篠原志明が総...

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