第57章

旭日製薬が篠原志明にああも掻き回された以上、鈴宮病院側の信頼が風前の灯になるのは当然だ。向こうが契約解除を口にするのも、人情としては理解できる。

宮原ミナミは一瞬だけ黙り込み、それから淡々と言った。

「時間、決めて。もう一度だけ、私が挽回してみる」

木田平人も同じ考えだった。机の端に置いたカレンダーを手に取り、確認する。

「来週でいいですか?」

「来週は無理。月例テストがあるから、もう一週あとにして」

「承知しました」

木田平人は、宮原ミナミがまだ学生だというだけで侮ったりはしなかった。何度か接して分かったのだ。彼女は段取りが緻密で、いざという時ほど落ち着いている。言葉もいつも...

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