第59章

福部優子は胸の奥がぎゅっと詰まった。あの顔をこれ以上見たくなくて、振り返りもせず宮原美奈子の肩を支え、家の中へ入っていく。

口だけは達者な下衆い小娘め。今は好きにさせておけばいい。

美奈子の身体が良くなったら――そのときまとめて落とし前をつけてやる。

市立高校。

昇りはじめた朝日と、どこかやわらかな校内放送の音楽。正門前のアスファルトには色とりどりの車がずらりと並び、リュックを背負った生徒たちが途切れなく校内へ吸い込まれていく。

「宮原ミナミ、止まりなさい!」

甲高い女の声が校門に響いた。車のドアを勢いよく開けた早崎朝子は、前を歩く宮原ミナミを見つけるなり、逃げられるのが怖...

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