第66章

ここまで来て、宮原美奈子はようやく彼らの狙いを理解した。

要するに――この先の授業も全部、彼女にやってほしいのだ。彼らを引っ張って、大学入学共通テストまで。

宝崎方哉が両手を合わせ、妙に芝居がかった拝み方をする。

「宮原先生、お願いです! うちのF組の栄光は先生にかかってるんです!」

宮原美奈子はわずかに眉を寄せ、迷った。

引き受ければ、確実に時間を食う。今の彼女に余裕はない。正直、これ以上面倒を背負い込みたくもなかった。

――けれど、F組の印象は悪くない。むしろ、かなりいい。しかも、ここまで全員で頼んでくるのは珍しい。

宝崎方哉が彼女の揺らぎを見て取り、周囲と目配せする。

次...

ログインして続きを読む