第99章

「お、お前……俺を殴ったのか?」

温井豪介は信じられないといった顔で彼女を見た。

これまで出会ってきた女の子は、みんな大人しくて、ふわっとした子ばかりだった。こんなふうに手が出る相手は初めてで、脳が追いつかない。

宮原ミナミは冷ややかに嗤い、同じ場所へもう一発、拳を叩き込んだ。

――深夜に合鍵で私の部屋を開けて、何をするつもりだったの。

下心丸出しで。

温井豪介はようやく我に返り、さっきまでの温和な仮面を引っぺがした。壁に手を突いて体を乗り出し、そのまま宮原ミナミの首を絞めようとする。

宮原ミナミは避けない。

ひょい、と手を上げる。

ばさっ。

白い粉が、温井豪介の頭か...

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