第101章 役立たずの群れ

トイレの個室から真っ先に出てきたリーダー格の女には、手出しする隙など微塵もなかった。

その事実は、彼女の腹の底に凄まじい怒りの火を灯した。今回の計画のために、彼女たちは自腹を切っただけでなく、服まで盗み出していたのだ。もしこの件が露見すれば、従姉妹の職さえ失いかねない。

それほどの代償を払ったというのに、結果は徒労に終わったのだ。

行き場のない怒りは、三人の仲間たちへと向けられる。彼女は三つの個室のドアを乱暴に開け放ち、中にいた仲間を引きずり出した。

「あんたたち、なんで今のタイミングで出てこなかったのよ! 絶好のチャンスだったのに、みすみす逃すなんて!」

リーダー格の女...

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