第109章 監視カメラ

雲田茜の言葉に、白鳥紗雪たち母娘とボブは呆気にとられた。

だが、すぐに白鳥紗雪は高らかな笑い声を上げた。

「雲田茜、まさかこの期に及んでまだ言い逃れをするつもり? 証人までいるっていうのに、何を粘っているのよ。今さら悪あがきしたって無駄だと思わない?」

賀川時はソファに深く背を預け、静かに白鳥紗雪の一人芝居を眺めていた。その口元には微かな笑みが浮かんでいるものの、瞳の奥は凍てつくように冷たい。

白鳥紗雪の母親は、すでに場の異様な空気を察知していた。娘の袖を引き、状況を知らせようと試みるが、今の白鳥紗雪は完全に頭に血が上り、周りが見えていない。

「賀川のおじ様、今の雲田茜の言...

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