第114章 俺を殴って気持ちいいか?

白鳥樹がブースに到着した時、雲田茜はすでにステージ上のパフォーマンスに見入っていた。

「茜姉さん、時間がないよ。もうすぐ警備員が来ちゃう。早く逃げないと」

白鳥樹は雲田茜の手を引いて立ち去ろうとするが、彼女はその手を振り払った。

「ちょっと待って。このショーが終わるまでよ。たとえ追い出されたって構わないわ」

雲田茜は興奮した面持ちでステージを指差す。

白鳥樹は訝しげにステージへ視線を向けたが、瞬時にその目は釘付けになった。

「うわっ、マジかよ。なんてクールな外骨格装甲(パワードスーツ)だ!」

ステージ上には、黒い外骨格装甲を身に纏った賀川時が、さながら未来の戦士のように仁王立ち...

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