第125章 鉄に換える

雲田茜は林原海子の背中を優しくさすりながら、一体何があったのかと静かに問いかけた。

「一体どうしたの? もしかして、お母さんの病状が悪化したとか?」

雲田茜は心配そうな眼差しを林原海子に向ける。

林原海子は首を横に振った。それを見て、雲田茜はいよいよわけがわからなくなる。彼女の知る林原海子は、いつも竹を割ったようにさっぱりとしていて、明るい性格の持ち主だ。彼女が涙を見せるときといえば、大抵は雲田茜が不当な扱いを受けたとき、自分のことのように悲しんでくれる場合くらいだった。

雲田茜はここ最近の自分の生活を振り返ってみたが、それなりに楽しい日々だったし、林原海子を泣かせるような出...

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