第130章 新たな対立

部署に戻った雲田茜は、すぐに黒崎加里を探すのではなく、まずは直属の上司である中橋唯生のもとへ向かった。

雲田茜が用意していた映像データを渡すと、それを見終えた中橋唯生の表情は険しいものへと変わる。

「君は、どうしたいんだ?」

中橋唯生が問いかける。

雲田茜の表情は真剣そのもので、そこには強い意志が宿っていた。

「会社として、この件を厳正かつ厳粛に処理していただきたいのです。我々はまだ設立されたばかりですし、先日のコンペでの一件ですでに醜聞(スキャンダル)沙汰になっています。もしこの件の対応を誤れば、第二の醜聞になりかねません。社長も、社内でパワハラ事件が起きたなどとは聞きたくないで...

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