第161章 雲田茜の発見

 スティーブは、木下川が雲田隆たちを調査するために雇い入れた私立探偵だ。探偵業を営むのに、高潔な人格など必要ない。ターゲットの自宅に盗聴器やピンホールカメラを仕掛けるような手合いには、なおさらだ。

 幸いなことに、スティーブは品行方正とは程遠い人物であり、その手口も多岐にわたる。ターゲットたちは、知らず知らずのうちにボロを出してしまうのだ。

 今回の依頼は、スティーブにとってあくびが出るほど簡単なものだった。何より、雲田隆夫婦には知性と呼べるものが決定的に欠けており、簡単に信用させることができたからだ。賀川時が提示した報酬が破格でなければ、わざわざ自ら出向く気になどなれなかっただろう。

...

ログインして続きを読む