第21章 お前は何様だ?

賀川時は首を傾げて鈴木翔太を見つめた。鈴木翔太の言葉に明らかに不満そうだった。

「もう一度言うが、俺が雲田茜を助けたのは単に彼女が可哀想だったからだ。それに夫としての基本的な責任を果たしただけだ」賀川時は非常に真剣にそのことを強調した。

鈴木翔太は両手を上げて降参のポーズをとり、頷きながら同意した。「そうだよね、お前の言う通りだ。一族の恥にならないためでもあるんだろう。だって、一族の跡取りが嫁入り前の妻をいじめるなんて笑い話にもならないからな」

賀川時はふんっと鼻を鳴らし、鈴木翔太の言葉を認めた形となった。

鈴木翔太は面白そうに首を振ったが、突然こちらに向かって歩いてくる美女を見つけ...

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