第247章 賀川時の電話

一方、電話を切った雲田茜と賀川時は、鈴木翔太と林原海子の間でこれから始まろうとしている、ある親密な情事のことなど知る由もなかった。

他人の色恋沙汰などどうでもいいことだ。賀川時が今、何よりも気に掛けているのは海外からの報告だった。向こうでの調査は一体どうなっているのか。

食事を終えると、雲田茜は食器を洗うためにキッチンへと向かった。それを見届け、賀川時はスマートフォンを手に屋外へと出る。

「そっちの進捗はどうだ?」賀川時は電話口に向かって声を潜めた。

通話相手は、R国へ派遣した部下である。現地に滞在して随分と経つが、何か手掛かりは掴めたのだろうか。この電話は進捗状況の確認と、ついでの...

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