第250章 二人の優秀な男

雲田茜は決めていた。もし賀川哲也が手を上げてくるようなことがあれば、躊躇なくその股間を思い切り蹴り上げてやるつもりだった。相手が激痛に悶えている隙を作れば、この宴会場から逃げ出すことなど造作もない。

賀川哲也と雲田美咲――この二人が会場にいる限り、彼らは茜が人脈を広げようとするのを徹底的に妨害してくるに違いない。

どうせこれ以上このパーティーに留まる意味はないのだ。ならば、ここから飛び出したところで何の問題もなかった。

だが、予想外の助け舟が現れた。

久野屋嘉だ。彼は賀川哲也の手首を掴み上げ、その端正な顔に薄い笑みを浮かべていた。

「賀川哲也、会っていきなり暴力とは穏やかじゃないな...

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