第262章 私を殴れるか?

乾いた銃声が響き、カウンター奥のボトルが砕け散る。中身の液体が棚を伝って滴り落ちた。

護衛の二人が即座に賀川哲也の前に立ち塞がる。警戒心を露わにし、その手にはすでに拳銃が握られていた。

そこへ、黒服に身を包んだ十人の男たちがなだれ込んでくる。その先頭に立つ人物を目にした瞬間、雲田隆が呆気にとられた表情を浮かべた。

「お前! あの時、留置場から俺たちを出してくれた若造か!」雲田隆がスパイクを指差し、大声を張り上げる。

スパイクは口元に笑みを浮かべ、雲田隆に向かって恭しく一礼してみせた。

「雲田隆さん、数日ぶりですね。まさかこんな寂れたバーに隠れてヤケ酒とは、随分と落ちぶれたもんじゃな...

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