第27章 夫に髭を剃る

雲田茜と林原海子はデパートから出てきた後に別れた。

雲田茜は家に帰り、ギフトボックスをテーブルに置いたところで、ドアをノックする音が聞こえた。

雲田茜は不思議に思いながらドアに向かい、ドアスコープを覗くと、外に立っているのは賀川時だった。

「どうしてきたの?」雲田茜はドアを開け、外にいる賀川時を不思議そうに見た。

賀川時は箱を手に持ち、雲田茜の後について部屋に入ってきた。

「友達からダ・ヴィンチの手稿をもらったんだけど、俺にはあまり興味がなくてさ。君が欲しいかなと思ってな」賀川時は手にした箱を開け、中には黄ばんだ紙が何枚も入っていた。

雲田茜はびっくりして、急いで近づき、箱から紙...

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