第302章 酔った雲田茜

賀川時は林原に向けて軽く顎をしゃくり、早めに休むよう合図を送った。そうして雲田茜を横抱きにしたまま、別荘へと足を踏み入れた。

寝室に運び、ベッドの上に下ろしてもなお、雲田茜の腕は賀川時の首にしっかりと巻き付いたままだ。

賀川時は小さく溜息をつき、苦笑交じりに口を開く。

「寝ている人間ってのは、こんなに強くしがみついたりしないもんだぞ。首がへし折れるかと思った」

雲田茜はぱちりと目を開けると、悪戯っぽく微笑んで賀川時の唇に軽く口付けを落とす。ようやく腕を解き、ベッドに身を預けた。

「お風呂に入りたいけどぉ……身体中が重くて、指一本動かしたくなーい」

雲田茜は唇を尖らせ、上目遣いで賀...

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