第396章 友達としか思っていない

ついに、久野屋嘉は雲田茜への秘めたる恋心を言葉にした。

その想いは、あまりにも長い間、久野屋嘉の胸の奥底に埋もれていたものだ。時折、これは夢なのではないかと錯覚するほどに。

幼い頃、父の意向で海外へ送り出された彼は、雲田茜のそばで愛を育む機会を奪われた。異国の地で、雲田茜が賀川哲也と婚約したという報せを聞いた夜、彼は悲嘆に暮れ、泥酔して路傍に倒れ込んだものだ。

本来なら、久野屋嘉は二度と帰国するつもりなどなかった。愛する雲田茜と賀川哲也の結婚式になど、出席したくなかったからだ。しかし、予想だにしないニュースが飛び込んでくる。雲田茜が婚約を破棄したというのだ。

その報せを聞いた瞬間、久...

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