第402章 裏切り

雲田美咲は電話口で、自作の脚本とやらについて延々と語り続けていた。

受話器の向こうで、久野屋嘉は顔に深い嘲笑を浮かべている。

要するに、単純な「英雄が美女を救う」という筋書きではないか。ドラマで使い古された手垢のついた演出であり、男が女を口説く際の常套手段でもある。

雲田美咲は十分間も喋り続け、雲田茜のボディーガードをどうあしらうか、久野屋嘉がどのタイミングで登場すべきか、さらには久野屋嘉の体に傷をつける演出を加えるべきかどうかまで、微に入り細に入り指示を出した……

「脚本家にでもなったらどうだ? そっちの方が将来有望だと思うぜ」久野屋嘉は、いかにも誠実そうな口調で言った。

「そん...

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