第403章 苛立つ男

賀川哲也は今日、極めて重要な顧客と会っていた。

相手は組織委員会の重鎮、ボブ氏だ。賀川哲也は彼とアポイントを取り、ある提携話を持ちかけていたのである。

賀川哲也もまた、根っからの商人だ。オリンピックという世界中が注目するスポーツの祭典を見過ごすはずがない。広告収入だけでも、その額は天文学的な数字になるだろう。

「ボブさん。私の恋人が手がける五輪用ウェアのデザインについて、ぜひお力添えをいただきたい。彼女が今回起用したデザイナーたちは業界でも名の知れた実力派ばかりです。開会式では、我が国の選手たちを誰よりも輝かせてみせますよ」

賀川哲也は自信たっぷりにそう語った。

この世に、公平など...

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