第41章 緊張している夫

雲田茜と賀川時が宴会場を出て行く時、二人は気づかなかった。宴会場の一角にはまだ一人の人間が隠れていたことを。

雲田茜と賀川時が宴会場を離れた後、雲田美咲は車椅子を押して柱の陰から姿を現した。

賀川哲也と他の賀川家の人々はお爺様に連れて行かれていた。雲田美咲はついて行く勇気もなく、かといって雲田茜にまた殴られるのも怖くて、ただそっと身を隠すしかなかった。

雲田美咲は賀川哲也の叔父に会ったことがなかったので、賀川時のことは知らなかった。ただ少し嫉妬していた。どうして雲田茜の好きな男はどいつもこいつもあんなにイケメンなのか。

「イケメンだからって何の役にも立たないし、お腹の足しにもならない...

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