第422章 暴発

策士たるもの、いつ何時もバックアッププランを用意していないはずがない。特に、ミシェルのような聡明な女を相手にするならば尚更だ。

ミシェルはトムの愛の言葉など、これっぽっちも信じてはいなかった。同様にトムも信じてはいない。ある部門のトップに立つ人間が、初対面の男に――たとえそれがどれほどの美男子であったとしても――簡単に恋に落ちるわけがないのだ。

互いに演技をしているに過ぎない。最後の瞬間にカードを切り、互いに手の内を明かし、そして自分たちに有利な切り札を探り合うために。

手の内を明かす前のベッドシーンに関して言えば、それは言わば「役得」といったところか。

トムもミシェルも、確かに激情...

ログインして続きを読む