第425章 遺体

賀川哲也は、田中浩が言葉の綾で罠を仕掛けてきていることに気づいていなかったわけではない。だが、だからといって彼を単純に信用したわけでもなかった。

「哲也様、そろそろこの遺体を引き渡していただけますか?」

賀川哲也が沈黙を守っているのを見て、田中浩が問いかけた。

賀川哲也は小さく頷いた。田中浩の表情が緩むことはない。それどころか、続く賀川哲也の言葉を聞いて、その顔には明らかな不満の色が浮かんだ。

「遺体は渡す。だが、検死には俺も立ち会わせてもらう。誰が裏で糸を引いているのか、俺も知る必要があるんでな」

賀川哲也は淡々とそう告げた。

田中浩の顔に怒気が走る。

「賀川哲也、いい加減に...

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