第430章 目標をロックオン

賀川哲也の部下は、ひどく渋った様子で、手にしたばかりの小切手を再び彼に差し出した。

ポケットの中で温まる暇さえなかった哀れな紙切れ。

名残惜しく思うのも無理はない。

部下の恨めしげな視線など、賀川哲也は意に介さなかった。以前なら――賀川家の「お爺様」と賭けなどしていなければ、彼は依然として賀川家の「若様」であり、一族の強大なリソースを握っていただろう。五億など、彼にとって端金に過ぎなかったはずだ。

だが現状、お爺様との賭けで資産の十分の一を失ってしまった。残る資産も億単位とはいえ、五億は大金だ。何より、片桐佐希の広告契約料として既に一億を投じている。

さらに悪いことに、雲田美咲の一...

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