第445章 無事

カウンターの裏で頭を抱え、片桐佐希は小さく縮こまっていた。外から響く乾いた銃声と悲鳴、そして鼻をつく硝煙の臭い。

恐怖で体の震えが止まらない。銃声が止んだ後も、彼女は立ち上がることさえできなかった。

「もういい。奴らは全員死んだ。立っても大丈夫だ」

頭上から木下川の声が降ってくる。

片桐佐希は壁に手をつき、ゆっくりと体を起こした。だが、視界に飛び込んできた血だまりと死体の山を目にした瞬間、腰が抜けそうになる。間一髪、木下川がその体を支えた。

木下川に引かれ、佐希は惨劇のあったリビングを離れ、別の部屋へと移動した。死体が見えなくなったことで、ようやく彼女の強張った神経が緩んでいく。

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