第46章 彼は普通の人ではない

雲田茜は林原海子からの評価を聞いて、不満げに彼女の額を軽く叩いた。「恋に夢中になってるのはあなたでしょ。一体何が言いたいの?」

林原海子は病室の位置を指さしながら小声で注意を促した。「お旦那さん、変だと思わない?ただの中間管理職だって言ってるけど、あの雰囲気は少なくとも社長レベルよ!あなたに近づいた裏に何か目的があるんじゃないかって疑ってるの!」

雲田茜は林原海子の推測に白目を向けた。彼女と賀川時の出会いはそもそも偶然だったのだ。彼女には賀川時が欲しがるようなものなど何もないと思っていた。

雲田茜が唯一誇れるのは美貌だけだった。自分の容姿には自信があるものの、息ができないほど美しいわけ...

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