第462章 善人になる

極道がDV男に更生を説く──これほど世にも奇妙なニュースは、そうそうお目にかかれるものではない。

だが現実には、案外あり得る話なのかもしれない。

少なくとも田中里安はそう信じていた。なぜなら彼は今、林原大介という男を善人にすべく、懸命に指導している真っ最中なのだから。

「うーん、善人ってのは一体何をすりゃいいんだ?」

田中里安は、ぐるぐる巻きに縛り上げられた林原大介を一瞥し、苛立ち紛れにボールペンの尻で頭をガリガリと掻いた。

本来なら、雲田茜から持ち込まれたこの依頼、田中里安としてはあまり気乗りしなかった。だが、彼女が提示した報酬額は、とてもではないが拒絶できる代物ではなかった。背...

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