第496章 男主人公

実のところ、映画の主演男優については、監督も片桐佐希もまだ決めかねていた。

主演ともなれば、他の脇役のように無名や新人の俳優を起用するわけにはいかない。確かな実力を持ち、作品全体に悪影響を及ぼさない人物でなければならないため、自ずと演技力への要求は跳ね上がる。

片桐佐希から新田雷という名前を聞き、雲田茜はすぐにスマホを取り出して検索し始めた。

普段から芸能界にはあまり関心がなく、映画やドラマも滅多に見ない彼女にとって、その俳優はまったく馴染みのない存在だった。

検索結果が俳優のプロフィール画面に切り替わると、そこにはどこか見覚えのある男の顔が映し出された。

以前、彼が出演しているド...

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